宇部市議会議員に対するアンケート調査結果 総括報告書

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宇部市議会議員に対するアンケート調査結果総括報告書

平成23年(2011年)3月

宇部市の財政を考える会

1.はじめに


 1997年に公布された「地方分権一括法」は、地方自治体の自主性・自立性を促すと同時に、議会の権限範囲も大幅に拡大することを趣旨として制定され、このことは、地方分権改革を大きく前進させる一歩となりました。その後地方議会に関わる地方自治法の改正が施行されてきています、特に2007年4月に施行された地方自治法改正は、「地方議会の自立的議会運営」に大きく道を開く制度の導入と同時に、議会の役割に一定の方向性を示した改正とも言うことが出来ます。 この改正は、従来以上に議会による「政策提言」に道を開いたものと考えます。ところで、地方自治体は、市町村長と、議会議員のそれぞれを住民が直接選挙で公選する二元代表制をとっております。その関係は、独立・対等の関係にあり相互に緊張感を保ちながら協力して自治体運営に当たる責任を有していることは当然のことと考えます。

 この関係の中で、議会は、民意の下に、市町村の政策の意志決定をする機能と、執行部を監視・評価する、二つの大事な機能を有しています。

 すなわち議会では、複数の代表で構成されている審議の場に多様な住民の意見を反映させ、政策決定することが期待されております。多様な民意を付託された議員同士が大いに議論し、より多くの住民が納得できる合意形成を行う必要があります。これが議員にとって、最も重要な「仕事」といえます。

 一方、首長を代表とする執行部は、アンケート、ワークショップ、パブリックコメント、審議会委員による審議等を通じて、民意や専門家の意見を集約し、企画立案するプロセスを、見える形で完成させる努力をしています。

このような状況下において、議会が効果的な政策提案や監視機能を発揮するためには、執行部に勝る民意を把握し、「議論」を通じてより多くの住民の民意を反映した合意形成が出来るかにかかっていると思います。

 そのために議員に求められることは、①「より多様な民意を聴取し、その妥当性を評価する」プロセスを運営しているか、②「民意の反映した合意形成をするために十分な議論を行っているか、その結果に基づき、提案や適切に議決権を行使しているか」の2点にあると思います。これが、議員の「仕事」だと考えます。

 しかし、残念ながら、宇部市民は、「議員の仕事ぶり」を知る機会は、ほとんど有りません。

 又、市民の議会に対する関心を高め、より身近なものとするための組織的な取り組みもほとんど行われていないのではないでしょうか。更に、議案に対する議員個人の議決権行使の結果さえも確認できない状況にあります。

 任期4年間一度も一般質問されなかった議員もいます。

このように、議員の「議論による合意形成のプロセス」を知ることは、ほとんどできないと言っても過言ではない状況にあります。議会改革のカギを握るのは、「住民の意識改革」と「住民によるチエック」と言われています。

 チエックするための情報を市民に解りやすく、公表することが欠かせません。



2.アンケート実施の趣旨


 各地で、「議員報酬や、議員定数は、少なければ少ないほどよい」との風潮が高まっています。それどころか、最近は「議会なんているのか」「議員なんて何やってんだ」との厳しい議会たたきの風が吹き荒れている場面が新聞やテレビ等の報道で目立つようになってきました。

 これは、これまで地域の要望を行政につなぐ「口利き」のみで良かったものが、1997年の「地方分権一括法」及びその後の地方自治法改正で、自治体の仕事が増えたことに伴い、その最終決定権を握る議会の役割が大きく拡大しているにもかかわらず、「議員の仕事ぶりが見えない」ことによるものと考えます。

 最大の問題は、議案への賛否については、「議員個人」どころか、「会派」の賛否すら解らない状況にあります。,議案への賛否は、議員の仕事の評価に不可欠な情報であると考えます。

 宇部市についても、ほぼ同じことがいえる状況にあると認識しております。

 私たち「宇部市の財政を考える会」では、議員の皆様の「認識」や、「仕事ぶり」を、より多くの市民に知っていただくことにより議会や市政に対する市民の関心を少しでも高めることが出来たらとの思いで、アンケートを実施いたしました。



3.質問の内容


アンケートの質問内容は、以下の14項目を主眼として構成されております。


  1.「議会基本条例の制定」について。

  2.市議会への出席状況について 

3.議会における質問状況について

  4.議員定数について

  5.議員報酬について

  6.政務調査費について

  7.議会改革の方向性について

 8.宇部市の財政状況の現状認識について

 9.財政改革の方向性について

 10. 地域住民とのコミュニケーションの実施状況について

①対話集会

①陳情の受付

③市民との情宣方法について

  11. 地域活性化の方向性について

 12. 市街地活性化の方向性について

13. 市役所の建て替えについて

14. 公約(選挙公報記載)実現への具体的取り組みについて


 *各質問ごとに、自由意見の記載欄を設け、質問の偏りを補正すると共に、回答理由や意見  が反映できるように配慮いたしました。


ところで、質問内容は、議員の方々が「提出を拒否する」理由とされている、限定的で、意図的で、意味のない、誤解を生む内容でしょうか?多くの市民の皆さんは、以上のような質問テーマ(課題)について、議員の皆さんが、「どの様に認識され、議員活動としてどの様に取り組まれているか」をもっと知りたいと考えておられるのではないでしょうか。



4.返信状況及び返信状況に対する我々の見解


 1)返信状況  



 会  派


所属議員名


回答状況


回答をしなかった理由


 公明党





新城 寛徳

村上 恵子

安藤 巧

長谷川耕二


回答

回答

回答

回答


会派全員の方から回答をいただきました





 市民連合



柴田 敏彰

宮本 輝男


回答

回答


会派全員の方から回答をいただきました



無所属



木下 俊夫


回答


ご回答をいただきました。



広重 市郎



市議会議長、連絡なし


 新政会








植松 洋進

兼広 三郎

青木 晴子

唐津 正一

小川 裕巳

志賀 光法

重枝 尚治

山下 憲章





丁寧なお断り文書をいただきました。

「会派所属議員で協議した結果回答しないことと決定した」

とのことでした。




 新風会



射場 博義


 回答


ご回答をいただきました



笠井 泰孝

穐村 將人

三戸 充

髙井 仁

岩村 誠



「お答えしかねます」との返事でした






 共産党






荒川 憲幸

時田 洋輔

大野 京子

岡本 公一

真鍋 恭子



「お答えを控えさせていただく」

「質問内容が一面的で、限定的で誤解を生むおそれがあるとの回答でした。




 清志会




河崎 運

猶 克実

杉山 孝治



「お答えしかねます」とのことでしたs。




市民クラブ




山下 節子

田中 敏弘





「質問内容に意味がない」「答える必要はない」とのことでした。




 2)返信状況に対する我々の見解


 まず、アンケートの趣旨をご理解いただき、ご回答をいただいた、8名の議員の皆さんに、心よりお礼申し上げます。

 しかし、アンケートの返信状況は、上記のように、私たちの期待を裏切るものでした。 宇部市は、選挙の投票率も決して高くありません、多くの市民の皆さんに議員の皆さんの「認識」や、「仕事」ぶりをお伝えすることにより、市民の議会に対する理解と関心を高めることが出来たらとの思いで実施いたしました。8名の皆さんのご理解はいただけたものの、他のみなさんのご理解がいただけなかったことを残念に思っております。


 市民から報酬をもらい、公人である議員の皆さんは、むしろ積極的に、自身の「仕事」ぶりを公表し、市民の皆さんに理解していただく必要があるのではないでしょうか。

「知られたくない」という考が、もし議員の方々の一部にあるとすれば、市民の皆さんにお知らせするほどの「仕事」をしていないということかもしれません。私どもには、その理由を理解することが出来ません。この事が、議会や、議員たたきの原因になっていることを認識されていないのではないでしょうか。

 会派を超えてアンケートに対する対応が話し合われたとも聞きます。「みんなで渡れば怖くない」という保身術によるものと考えますが、このようなことは、今回のみにとどめておいていただきたいものです。



5.回答結果のまとめ


 テーマ


質  問


     回  答


1.市議会運営



1.議会基本条例の制定


8名中7名が早期制定が望ましいと回答



2.必要ないとした理由


1名の方、現状の改革が先



3.議会への出席率


6ー1)参照



4.欠席理由


8名の方の平均出席率は、99.9%



5.議会質問実施の有無


6ー1)の質問回数参照



6.質問内容


別紙、添付調査結果参照



7.質問しなかった理由



8名の方の質問率は、88.3%




2.議会制度改革





8.議員定数について




議員定数28が適当;4名の方

議員定数26が適当;3名の方

もっと減らすべき ;1名の方



9.議員報酬について




10%カット  ;4名

5%カットの維持;3名

定数を減らしてアップすべき;1名



10.政務調査費について




*適当;5名

*低い;2名 

*高い;1名



11.政務調査費の額



*現状2万円ででよい  ;5名

*5万円にアップ    ;2名



12.議員報酬の日当性



*議員活動は、議会出席のみではない、従って

 議会日数による日当制は、適切でない。



13.議会改革項目





*議会の見える化、委員会・議会の公開、議会 招集権を議長にも、議会を身近なものとする、 議員の質向上、参考人制度、議会事務局の執 行部からの独立等、



3.財政改革




14.財政状況の認識



*悪い ; 2名

*財政規律は守られているが、厳しい;6名



15.財政数値に対する評価







*宇部市、下関市、山口市、防府市、周南市、 岩国市と比較して「高い」「同等」「低い」を 判定

*順位は、H20年度の上記6市のなかの宇部市 の順位、良い方からの順位




回答いただいた5名の議員の方の上記5市との比較(認識))



良い方からの 順位






高い


同等


低い


* 順 位



①市民1人当たり歳入








②歳入に占める地方税の割合









③市民1人当たり税収








④歳入に占める市債の割合








⑤市民1人当たり歳出








⑥市民1人当たり議会費









⑦市民1人当たり人件費








⑧市民1人当たり職員給








⑨市民1人当たり扶助費








⑩市民1人当たり公債費







⑪市民1人当たり教育費








⑫市民1人当たり将来負担







⑬職員給与















⑭経常収支比率








⑮実質公債費比率











①②③⑤⑪多いものを良しとした

④⑥⑦⑧⑨⑩⑫⑬⑭⑮ 少ないものを良しとした



16.歳出削減項目









1位 投資的経費 6名

2位 人件費    5名

2位 公債費 5名

4位 補助費 2名

5位 繰出金 1名

6位 扶助費 0名

6位 維持、修繕費 0名

*複数回答可とした。



17.増収方法






1位 企業誘致   8名

2位 市有資産売却、管理運営民営化;5名

3位 ふるさと納税 3名

4位 歳入未済徴収 2名

4位 地産地消拡大 2名











18.財政改革活動









議員の皆さんが取り組んだ活動

①企業誘致

②雇用拡大

③中小企業支援

④企業連携

⑤地産地消

⑥人員定数の適正化

⑦人件費・物件費の適正化


4.地域コミュニティ




19.対話集会の開催



対話集会開催回数は、0から10回以上まで

大きくバラツキが見られる。



20.陳情要望を受けた回数


平均10回以上



21.陳情、要望への対応


すべての陳情に付き、対応されている



5.地域の活性化



22.エコツーリズムの有効性


5名の方が、有効な資源あり回答



23.無効の理由


まだ市民のエコに関する認識が低い



24.地域環境資源


里山、里海みなど



25.グローバル500は資源か


産学官は、今の全国のスタンダード



26.市街地活性化法の有効性


2名の方有効だった



27.国の助成は、有効であったか


借り上げ住宅建設は、有効



28.役立たなかった理由


一時的、財政がついて行かない、



29.市役所の建て替えについて




建て替え賛成;4名

遊休施設の利用;2名

建て替えたいが、財政が許さない1名



30.市民への情宣方法について


集会、立ち会い、広報誌等


6.公約実現




31.公約実現への認識


頑張っているとの認識;6名

まだ不十分;1名



32.公約実現活動




かなり達成しているが、充分とは、いえないとの認識




 いただいた回答から特に重要なポイントをまとめてみました。


 1.議会改革の必要性に付き、強い意欲が感じられる(議会基本条例の制定、議会の見える化、委員会、議会情報の公開等具体的提案をいただいた)、こころ強いかぎりである。

2.4年間全く議会質問のない議員については、「議会質問だけが議員活動ではない」との理由が挙げられると思うが、その内容を全く知ることが出来ない、これで市民の理解    が得られるとは思えない。

 3.議員定数については26から28が、議員報酬については5から10%カットが大勢を占めている。日当制については、議員活動は、議会参加のみではないとの理由で、否   定が大勢であった。

4.宇部市の財政状況については「財政規律は守られているが、厳しい」が大勢であった。

5.歳出削減項目については、①投資的経費、②人件費、③公債費の順であった

6.増収方法については、①企業誘致、②市有財産の売却、③管理運営の民営化の順であった。

7.市役所の建て替えについては、建て替えたいが、しかし財政状況が厳しく、それを許さない状況との認識。

 8.議員の皆さんが取り組まれた財政改革活動としては、①企業誘致 ②雇用の拡大 ③中小企業支援の順であった。

9.地域の活性化には、皆さん真剣に取り組まれているが、決め手がない状況に有ることが伺われた。

 10.公約の実現については、努力されているが、其の成果は、充分とはいえないと認識されている。


6.議員活動調査結果


 8名の議員の皆さんからしか回答をいただけなかったため、「質問回数」「出席率」の2点につき「宇部市HP 宇部市議会議事録データ」より議会情報を調査し、その結果を以下に公表いたします。


1)出席率と質問回数


(平成19年6月~平成22年12月までに開催された定例議会)

(補欠選挙で選出された議員の方3名は、平成21年9月~平成22年12月まで定例議会)


会派




議 員 名




 定例議会出席率


 定例議会一般質問回数




 出席日数/議会日数


 出席率


 質問回数/議会開催回数


質問率 


公明党


新城 寛徳


84/85


 98.8


   14/15 


 93.3


村上 恵子

  85/85

 100

14/15

 93.3


安藤 巧

85/85

 100

12/15

 80.0


長谷川耕二

85/85

 100

13/15

 86.7


市民連合


柴田 敏彰


79/85


92.9


  8/15


 53.3


宮本 輝男

85/85

100

15/15

 100


無所属


木下 俊夫


36/36


100


6/6


100


議長


広重 市郎


83/85


97.6


議長 (2/15)



新政会


植松 洋進


85/85


100


  8/15


 53.3


兼広 三郎

85/85 

100

副議長(5/15)

 33.3


青木 晴子

85/85

100

7/15

 46.7


唐津 正一

85/85

100

7/15

 46.7


小川 裕巳

85/85

100

(4/15)

 26.7


志賀 光法

85/85

100

14/15

 93.3


重枝 尚治

85/85

100

  8/15

 53.3


山下 憲章


85/85


100


11/15


 73.3



新風会


射場 博義


85/85


100


15/15


100


笠井 泰孝

85/85

100

11/15

 73.3


穐村 將人

85/85

100

15/15

100


三戸 充

81/85

95.3

(0/15)

0


髙井 仁

85/85

100

11/15

73.3


岩村 誠

36/36

100

6/6

100



共産党



荒川 憲幸


85/85


100


15/15


100


時田 洋輔

85/85

100

15/15

100


大野 京子

85/85

100

11/15

73.3


岡本 公一

85/85

100

15/15

100


真鍋 恭子

85/85

100

15/15

100


清志会



河崎 運


85/85


100


 5/15


33.3


猶 克実

36/36

100

5/6

83.3


杉山 孝治

85/85

100

1/15

6.7


市民クラブ



山下 節子


85/85


100


9/15


60.0


田中 敏弘


84/85


98.8


0/15


0


*平成19年6月~平成21年3月まで、  議長 小川 裕巳   副議長  三戸 充

*平成21年6月~平成22年12月まで 議長 広重 市郎   副議長  兼広 三郎



7.まとめ

 宇部市も人口減少、少子高齢化、厳しい財政状況等多くの困難に直面しております。

 一方「地方分権一括法」等の制定により、当市における行財政の舵取りにおける、首長や議員、さらに議会の役割、責任は、ますます大きくなるばかりです。

そのような状況下で、議員は執行部を監視・評価することのみならず、多様な民意を吸い上げ、議論を重ね、より多くの市民が納得できる合意形成を行い、さらに、執行部に対し、積極的に提案し、市民と協働して困難の解決に貢献することが期待されております。


 今回のアンケートに対し、8名の議員の皆さんからは、回答をいただき、その「認識」や「仕事ぶり」を知ることが出来ました。残念ながら他の議員の皆さんからは、回答をいただけず「仕事ぶり」を知ることは、出来ませんでした。私たちは議会や議員活動が適切に行われ、その状況が市民に公開されることが必要不可欠と考えています。ご自身の活動状況を公開出来ないということは、「活動を適切に行っていない」と、ご自身が認識されているからではないでしょうか。議員の皆さんは、もっとご自身の活動状況を市民に公開し、議員や議会を市民にとって身近なものとするための努力が必要と思います。最近のメディアによる議会や議員のあり方に関する報道は、「地方分権一括法」が制定されてから既に10年以上が経過したにも係わらず、時代の変革に対応し切れていない、まさしくスピード感のない「議会・議員改革」に、住民のいらだちを表現しているのではないでしょうか。


今回のアンケートをお願いするに当たり、多くの議員の皆さんから「宇部市を元気で、安心して暮らせるまち」にするための多くのお話(方策)を聞かせていただけるものと、多くの紙面を割きました、しかしその期待は見事に裏切られました。


私たち「宇部市の財政を考える会」は、微力ながら、宇部市を元気で、安心して暮らせるまちにするために、考え、活動する所存であります。


最後にアンケートに対し、ご理解と、ご協力をいただいた多くの皆さんにお礼申し上げます。



 連絡先  宇部市の財政を考える会


TEL   0836-36-9555

メール mail@ubenet.com